以前エントリしましたが、わたくしは35mm版でスクエアフォーマットな写真を撮りたいンです。ブローニーも在るけれど35mm版の小さなカメラで撮りたいんです。
と1人で唸っていたら、2006年7月20日に発売された雑誌「カメラ日和」でハーフカメラをスクエアフォーマット化する記事が紹介されていました。早速記事を読んで「これはNikon EMでも出来るかも知れない!」と思い立ち、おまけにmixiにも「ハーフ→スクエア改造の会(仮)」が紹介されていたので早速コミュに参加! 以下Nikon EMをスクエアフォーマット化して『ましかく写真』を撮ろう言う私の奮闘記wの顛末です。何分いい加減な性格なので"マスク"の寸法などはおおざっぱでありますのでその辺はさっ引いてお願いします。w
まず、参考までにNikon EMとはどういうカメラかというと、1970年代発売当時はリトルニコンの愛称で呼ばれていたように大変小さく(134.5×86×54mm;460g)カワイイマニュアル一眼レフカメラです。詳しくはNikonのサイトを見ていただくとして、カーデザイナーとしても有名なGiorgetto GIUGIARO氏デザインということもあり今でも割と人気のある銀塩カメラの一つであります。
さて、EMをスクエアフォーマット化する方法は「カメラ日和」や「ハーフ→スクエア改造の会(仮)」にあるとおり、使用済みのテレカ(磁気カード)を利用して24mm×24mmの切抜をした"マスク"を作成しフィルム室に装着するという、それだけといえばそれだけですがw、そんな感じです。
必要な部材は以下の通り
-使用済みテレカ(磁気カード)
-マジックインキ(プラモデルに塗るペン型のプラカラーとかでもOK)
-カッターとか彫刻刀(100円ショップで購入)
-スプレー糊
-定規(スチール製のモノが良いと思われ。同じく100円ショップで購入)
-シンナー(マニキュアの除光液でもOK?)
-プラスチック製のピンセット(同じく100円ショップで購入)
-フロッピーディスク(オマケ)
まずマスクの作成です。色々試行錯誤した結果EMのマスクの大きさを下図の様にしました。
長さ44.5mm、高さ28mm。右から7mm、上下から2mmづつのところ、中央から6.5mm右寄りに24mm×24mmの正方形を切り抜きますがコレが『ましかく写真』となるわけです。
私はこの"マスク"をイラストレーターを使って作図しました。テレカに定規で作図することも出来ますがコンピュータを使った方がより正確に作図出来ると思ったからです。基準線を描いておくと後で切る作業の時定規の当てるのに便利です。
イラストレーターで念のため同型を複数作図したらプリントアウトしスプレー糊でテレカに貼り付けます。後は作図した線をなるべく正確にカッターや彫刻刀で切り取ればOKです。特に24mm×24mmの正方形はカッターよりも彫刻刀(平刀)を使って柄の後ろから軽く叩けば”切り込みすぎる”という失敗が少ないように思います。カッターの刃はケチらずにバンバン新しい刃に換えて使用します。
テレカに貼った作図した紙を剥がし、シンナー(マニキュアの除光液でもOK?)などで糊を拭き取った後、光線漏れや反射など無いように念のためマジックで真っ黒に塗っておきます。
マジックが完全に乾ききったら、"マスク"をEMのフィルム室に装着します。幸いなことにEMのフィルム室をよく見てみると、マスクを装着する部分、シャッター幕のところに隙間が確認できます。(下図参照)
試作の"マスク"をこの隙間に差し込んで何度かシャッターを切ってみましたが、シャッター幕に干渉もしないようですしまた差し込んだだけのマスクもシャッター幕の動きの影響でずれてしまうということも無かったので、この隙間に作成したマスクを差し込みます。絶対にマスクが動かないように両面テープなどで装着する方法がありますが、個人的にテープの糊が付くのには抵抗があったのでこの方法をとりました。
先ほど作成した"マスク"は右寄りに24mm×24mmの正方形の切抜がありますが、左右をこのままの状態で隙間に差し込み"マスク"を一番左に寄せて位置すると丁度真ん中に正方形の切抜が位置します(する筈です)。シャッター幕を傷つけると拙いと思いますので作業は慎重に。金属製のピンセットではチョット怖いですがプラスチック製のピンセットの場合多少安心感があがります。まずは左上角を斜めに差し込み、次いで左下角を差し込みます。次に右上カドを差し込みますが、"マスク"が斜めの状態でもそのの長さからそのまま素直には差し込めませんので"マスク"をちょっとたわませてから差し込みます。テレカはその点柔らかい材質なので助かります。右上角が差し込めれば右下角は簡単に差し込める筈です。
"マスク"を完全に差し込めたら24mm×24mmの正方形の切抜が正しく真ん中に位置するか確認調整し、何度か空シャッターを切ってシャッター幕と干渉しないこと、"マスク"がずれてしまわないことを確認します。
コレで"マスク"装着の完了です。早速フィルムを入れて撮影! とちょっとその前に。
このままではファインダーは24㎜×36mmの長方形のままです。『ましかく写真』を撮るんですからファインダーも真四角にして撮影の時から『ましかく写真』を撮りたいンです。
ということで、最後にファインダーのスクエアフォーマット化です。何のことはありません。フィルム室同様"マスク"を作ってファインダーを『ましかく』にします。
ファインダーのマスクは、スクリーン室に装着します。ミラー部に貼り付けた場合、ファインダーから覗くと"マスク"のフチがぼやけて印象が良くありませんでした。EMの場合は問題ありませんが、機種によってはスクリーン室にマスクを貼ると露出計が狂う、機能しないという事があり得ますので注意が必要です。
マスクの作成ですが、基本的にはフィルム室の時に予備に作ったマスクの左右を適当に切って全長を短くするだけです。Nikon EMはファンダーを覗くと露出計が左に確認できますがこれがEMの"売り"との事で、この露出計が隠れてしまわないように"マスクの"左右の余白切り取ります。私は今回は参考にさせていただいたジャンク大帝「オレ」さんのHPから「ニコンEM スクエアフォーマット化」に倣って、フロッピーディスクを利用して作成しました。(フロッピーを利用すると素材も黒で便利そうではありますが、如何せん角が鋭角ではないのでフィルム室のマスクとしてはちょっと使えないかも。でも角が丸い『ましかく写真』も、それはそれで味があって良いかも知れませんw)高さも長すぎたのでちょん切って最終的にはコの字型に加工してピンセットを使いスクリーン室に装着しました。
高さを上手に整えれば糊などで固定することなくしっくりと装着出来そうですが、今のところ旨くいっておらず使っているウチにファインダの"マスク"はずれてしまうことがあります。そんな時はレンズは外してピンセットで調整すればOK! (^_^;)
使用した100円ショップで購入したピンセットと作成した"マスク"。左がファインダー用で、右がフィルム室用。フィルム室用"マスク"は試作品でその後文頭で説明した長方形の"マスク"を作成してEMに装着しています。
さぁ、コレで準備はOK! 早速フィルムを詰め込んで撮影です!
ファインダー越しに見える『ましかく』な世界は大変新鮮です。撮影後現像があがるまでの間、ちゃんとフィルム室の"マスク"は機能しているかどうか? と言ったドキドキ感は改造前にはないモノですw
ちなみに以前エントリしたときに紹介したZEISS IKON TAXONAなどは24枚撮りフィルムでも24コマ以上に撮影できるそうですが、私が改造したNikon EM sq(スクエアフォーマット)はインチキスクエアフォーマットなので表記通りの枚数しか撮影できません。当たり前ですが。
撮影したフィルムは街のDPEショップでも普通にプリントしてくれます(筈です)が、フィルムスキャナでコンピュータに撮影データを取り込んで処理する時画像が片方に寄ってしまい任意のコマが上手くスキャニング出来ないという事がままあるようです。これはスキャナが「画像が写っている所から読み取り」という仕組みから来ているようです。 対処法としましては、プレビューでの設定をサムネイルプレビューから通常プレビューに設定を変更すると上手くスキャニング出来ると思います。(EPSON GT-F520の場合。他の機種でもトリセツを読んで対処してみてください)スキャン後画像処理ソフトで上下反転やトリミングなど手間が必要になりますが、”片寄り”によって任意のコマが上手くスキャニング出来ないよりはマシです。(偉そうにっていっていますが、私も教えて貰って知りました(^_^;)
ということで、『ましかく写真』は普段慣れた横長縦長とは違った何とも素敵な世界を体験させてくれます。
デジカメの世界でも2:3や3:4、或いは9:16のフォーマットを切り替えて撮影出来る機種もあるそうですが、スクエアーフォーマットも出来るようになると楽しみが増えて良いような気がします。
# 私が紹介した方法でお手持ちのカメラをスクエアフォーマット化した事によってカメラが壊れても私は責任は覆いかねますので予めご了承下さいませ。改造は自己判断・自己責任でお願いします。
お~っと! 現像に出したフィルムがあがってきました。が、「撮影したコマ位置異常」とのことで長巻のまま帰ってきました。w
そりゃ、そうだ、だって撮影したコマは長方形ではなく正方形ですから。ネガを確認したところ大体良い感じです。ん? よーく見ると正方形ではなく若干0.5mmほど長方形になっていました。(^_^;) "マスク"は作り直しですネ"
と1人で唸っていたら、2006年7月20日に発売された雑誌「カメラ日和」でハーフカメラをスクエアフォーマット化する記事が紹介されていました。早速記事を読んで「これはNikon EMでも出来るかも知れない!」と思い立ち、おまけにmixiにも「ハーフ→スクエア改造の会(仮)」が紹介されていたので早速コミュに参加! 以下Nikon EMをスクエアフォーマット化して『ましかく写真』を撮ろう言う私の奮闘記wの顛末です。何分いい加減な性格なので"マスク"の寸法などはおおざっぱでありますのでその辺はさっ引いてお願いします。w
まず、参考までにNikon EMとはどういうカメラかというと、1970年代発売当時はリトルニコンの愛称で呼ばれていたように大変小さく(134.5×86×54mm;460g)カワイイマニュアル一眼レフカメラです。詳しくはNikonのサイトを見ていただくとして、カーデザイナーとしても有名なGiorgetto GIUGIARO氏デザインということもあり今でも割と人気のある銀塩カメラの一つであります。
さて、EMをスクエアフォーマット化する方法は「カメラ日和」や「ハーフ→スクエア改造の会(仮)」にあるとおり、使用済みのテレカ(磁気カード)を利用して24mm×24mmの切抜をした"マスク"を作成しフィルム室に装着するという、それだけといえばそれだけですがw、そんな感じです。
必要な部材は以下の通り
-使用済みテレカ(磁気カード)
-マジックインキ(プラモデルに塗るペン型のプラカラーとかでもOK)
-カッターとか彫刻刀(100円ショップで購入)
-スプレー糊
-定規(スチール製のモノが良いと思われ。同じく100円ショップで購入)
-シンナー(マニキュアの除光液でもOK?)
-プラスチック製のピンセット(同じく100円ショップで購入)
-フロッピーディスク(オマケ)
まずマスクの作成です。色々試行錯誤した結果EMのマスクの大きさを下図の様にしました。
長さ44.5mm、高さ28mm。右から7mm、上下から2mmづつのところ、中央から6.5mm右寄りに24mm×24mmの正方形を切り抜きますがコレが『ましかく写真』となるわけです。
私はこの"マスク"をイラストレーターを使って作図しました。テレカに定規で作図することも出来ますがコンピュータを使った方がより正確に作図出来ると思ったからです。基準線を描いておくと後で切る作業の時定規の当てるのに便利です。
イラストレーターで念のため同型を複数作図したらプリントアウトしスプレー糊でテレカに貼り付けます。後は作図した線をなるべく正確にカッターや彫刻刀で切り取ればOKです。特に24mm×24mmの正方形はカッターよりも彫刻刀(平刀)を使って柄の後ろから軽く叩けば”切り込みすぎる”という失敗が少ないように思います。カッターの刃はケチらずにバンバン新しい刃に換えて使用します。
テレカに貼った作図した紙を剥がし、シンナー(マニキュアの除光液でもOK?)などで糊を拭き取った後、光線漏れや反射など無いように念のためマジックで真っ黒に塗っておきます。
マジックが完全に乾ききったら、"マスク"をEMのフィルム室に装着します。幸いなことにEMのフィルム室をよく見てみると、マスクを装着する部分、シャッター幕のところに隙間が確認できます。(下図参照)
試作の"マスク"をこの隙間に差し込んで何度かシャッターを切ってみましたが、シャッター幕に干渉もしないようですしまた差し込んだだけのマスクもシャッター幕の動きの影響でずれてしまうということも無かったので、この隙間に作成したマスクを差し込みます。絶対にマスクが動かないように両面テープなどで装着する方法がありますが、個人的にテープの糊が付くのには抵抗があったのでこの方法をとりました。
先ほど作成した"マスク"は右寄りに24mm×24mmの正方形の切抜がありますが、左右をこのままの状態で隙間に差し込み"マスク"を一番左に寄せて位置すると丁度真ん中に正方形の切抜が位置します(する筈です)。シャッター幕を傷つけると拙いと思いますので作業は慎重に。金属製のピンセットではチョット怖いですがプラスチック製のピンセットの場合多少安心感があがります。まずは左上角を斜めに差し込み、次いで左下角を差し込みます。次に右上カドを差し込みますが、"マスク"が斜めの状態でもそのの長さからそのまま素直には差し込めませんので"マスク"をちょっとたわませてから差し込みます。テレカはその点柔らかい材質なので助かります。右上角が差し込めれば右下角は簡単に差し込める筈です。
"マスク"を完全に差し込めたら24mm×24mmの正方形の切抜が正しく真ん中に位置するか確認調整し、何度か空シャッターを切ってシャッター幕と干渉しないこと、"マスク"がずれてしまわないことを確認します。
コレで"マスク"装着の完了です。早速フィルムを入れて撮影! とちょっとその前に。
このままではファインダーは24㎜×36mmの長方形のままです。『ましかく写真』を撮るんですからファインダーも真四角にして撮影の時から『ましかく写真』を撮りたいンです。
ということで、最後にファインダーのスクエアフォーマット化です。何のことはありません。フィルム室同様"マスク"を作ってファインダーを『ましかく』にします。
ファインダーのマスクは、スクリーン室に装着します。ミラー部に貼り付けた場合、ファインダーから覗くと"マスク"のフチがぼやけて印象が良くありませんでした。EMの場合は問題ありませんが、機種によってはスクリーン室にマスクを貼ると露出計が狂う、機能しないという事があり得ますので注意が必要です。
マスクの作成ですが、基本的にはフィルム室の時に予備に作ったマスクの左右を適当に切って全長を短くするだけです。Nikon EMはファンダーを覗くと露出計が左に確認できますがこれがEMの"売り"との事で、この露出計が隠れてしまわないように"マスクの"左右の余白切り取ります。私は今回は参考にさせていただいたジャンク大帝「オレ」さんのHPから「ニコンEM スクエアフォーマット化」に倣って、フロッピーディスクを利用して作成しました。(フロッピーを利用すると素材も黒で便利そうではありますが、如何せん角が鋭角ではないのでフィルム室のマスクとしてはちょっと使えないかも。でも角が丸い『ましかく写真』も、それはそれで味があって良いかも知れませんw)高さも長すぎたのでちょん切って最終的にはコの字型に加工してピンセットを使いスクリーン室に装着しました。
高さを上手に整えれば糊などで固定することなくしっくりと装着出来そうですが、今のところ旨くいっておらず使っているウチにファインダの"マスク"はずれてしまうことがあります。そんな時はレンズは外してピンセットで調整すればOK! (^_^;)
使用した100円ショップで購入したピンセットと作成した"マスク"。左がファインダー用で、右がフィルム室用。フィルム室用"マスク"は試作品でその後文頭で説明した長方形の"マスク"を作成してEMに装着しています。
さぁ、コレで準備はOK! 早速フィルムを詰め込んで撮影です!
ファインダー越しに見える『ましかく』な世界は大変新鮮です。撮影後現像があがるまでの間、ちゃんとフィルム室の"マスク"は機能しているかどうか? と言ったドキドキ感は改造前にはないモノですw
ちなみに以前エントリしたときに紹介したZEISS IKON TAXONAなどは24枚撮りフィルムでも24コマ以上に撮影できるそうですが、私が改造したNikon EM sq(スクエアフォーマット)はインチキスクエアフォーマットなので表記通りの枚数しか撮影できません。当たり前ですが。
撮影したフィルムは街のDPEショップでも普通にプリントしてくれます(筈です)が、フィルムスキャナでコンピュータに撮影データを取り込んで処理する時画像が片方に寄ってしまい任意のコマが上手くスキャニング出来ないという事がままあるようです。これはスキャナが「画像が写っている所から読み取り」という仕組みから来ているようです。 対処法としましては、プレビューでの設定をサムネイルプレビューから通常プレビューに設定を変更すると上手くスキャニング出来ると思います。(EPSON GT-F520の場合。他の機種でもトリセツを読んで対処してみてください)スキャン後画像処理ソフトで上下反転やトリミングなど手間が必要になりますが、”片寄り”によって任意のコマが上手くスキャニング出来ないよりはマシです。(偉そうにっていっていますが、私も教えて貰って知りました(^_^;)
ということで、『ましかく写真』は普段慣れた横長縦長とは違った何とも素敵な世界を体験させてくれます。
デジカメの世界でも2:3や3:4、或いは9:16のフォーマットを切り替えて撮影出来る機種もあるそうですが、スクエアーフォーマットも出来るようになると楽しみが増えて良いような気がします。
# 私が紹介した方法でお手持ちのカメラをスクエアフォーマット化した事によってカメラが壊れても私は責任は覆いかねますので予めご了承下さいませ。改造は自己判断・自己責任でお願いします。
お~っと! 現像に出したフィルムがあがってきました。が、「撮影したコマ位置異常」とのことで長巻のまま帰ってきました。w
そりゃ、そうだ、だって撮影したコマは長方形ではなく正方形ですから。ネガを確認したところ大体良い感じです。ん? よーく見ると正方形ではなく若干0.5mmほど長方形になっていました。(^_^;) "マスク"は作り直しですネ"