モノクロネガのスキャニングについて考えてみる。というか実験に近いか?w 要は自分であれこれやっているが何か上手く行かないしピンと来ないし...、備忘録も兼ねてwebにアップしようという魂胆です。
最近は専ら銀塩モノクロネガで撮ることが多いので、「モノクロネガはどうすれば上手くスキャニング出来るか?」がテーマです。最近はデジカメ一辺倒で書籍もスキャニングについてはあまりない。あってもカラーネガやポジがメインでモノクロネガのスキャニングについての指南書が身近に無いので自分で色々トライしてみようと思うわけです。それとスキャニングする場合最終的な出力タイプをイメージしなくてはいけませんが、今回はディスプレイ・web用と考えています。
-材料となる画像データ
以前エントリした時の画像を再度フィルムスキャンしました。
フィルムは、Fuji Presto400。レンズは沈胴Summicron 50mm F=2.0。某ショップで入手した玉がキズだらけの激安Summicronです。
f=8 1/500(くらいだった気がするw)
-機材:スキャナ
EPSON Scan GT-F520。本当はフィルムスキャナが良いんだろうけど、高くて買えません。(T_T) xylocopalさんの影響です。
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さて、GT-F520でのスキャニングは「全自動」「ホーム」「プロフェッショナル」の三つのモードがあってユーザーが選ぶことが出来るが、「全自動」モードだと全て機械任せで話が終わってしまうので、今回は「ホーム」「プロ(フェッショナル)」の二つのモードで行います。
尚「ホーム」モードで原稿種を白黒ネガにすると、最大解像度が1200dpiとなってしまう。条件を統一する為「プロ」モードでも読み込み解像度を同様に1200dpiにします。
「ホーム」「プロ」ともに原稿種は白黒ネガにするのが順当であるが、調べたところカラーネガにするほうが情報量をより多く取り込めるとのことで今回はカラーネガと白黒ネガの2パターンでスキャニングしてみることとします。
イメージタイプは「ホーム」の場合、カラー、グレー、モノクロとあるが、モノクロは2階調になってしまうので今回の実験からは省きました。ヘルプを見るとカラー、グレーともに
カラー:24bit カラー(約1677万色)
グレー:8bit(256階調)のグレースケール
とあります。
「プロ」の場合は、48bitカラー、24bitカラー、...と「ホーム」の場合に比べより細かに設定ができるが、なるべく綺麗に高階調にスキャニングしたいので今回は48bitカラー(約281兆5千億色)だけとします。
ということで今回の実験における、モード、原稿種、イメージタイプをそれぞれ纏めると以下のような6パターンとなります。
ホーム>白黒ネガ>グレー(8bit)
ホーム>白黒ネガ>カラー(24bit)
ホーム>カラーネガ>グレー(8bit)
ホーム>カラーネガ>カラー(24bit)
プロ>白黒ネガ>48bitカラー
プロ>カラーネガ>48bitカラー
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ではいよいよスキャニング。フィルム面の埃をブロアーで飛ばしてセットします。今回は「埃除去」や「粒状低減」などのオプションは全て無しにしています。またヒストグラムなどで細かい調整もできますが、プレビューの段階でGT-F520が自動露出してくれますし全て何もしないでスキャナドライバまかせにしました。
さて、それぞれの設定でスキャニングしフォトショップでイメージ>モードで確認すると、イメージタイプによって以下のような結果となりました。
イメージタイプ カラー:8bit/チャンネル RGB
イメージタイプ グレー:8bit/チャンネル グレースケール
イメージタイプ 48bitカラー:16bit/チャンネル RGB
8bit/チャンネルは24bit、16bit/チャンネルは48bitの意味ですが、GT-F520のヘルプではイメージタイプ=カラーは24bit、イメージタイプ=グレーは8bitなのになぜ両方とも24bit(8bit/チャンネル)になるのか謎であります。イメージタイプ=グレーはグレースケールだから? 私にはよく判らないなぁ。
いずれにしてもこの段階での状態はフォトショップ形式(.psd)であり、まだフィルムをスキャニングしただけであります。webにアップロードするには一般的にjpg形式でアップするので、レタッチを行った後ファイル>web用に保存でjpg形式で保存するとどの画像も8bit/チャンネルに圧縮されてしまう。(レタッチの段階では16bit/チャンネルに(擬似的でも)しておいた方が良いとのこと)
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では、スキャニング>レタッチ後の画像の比較である。レタッチと言っても自動レベル補正をしてグレースケール変換をした後不必要なところを切り取ってweb用に保存をしただけです。(^_^;) (画像をクリックすると拡大します)
-イメージタイプの比較
一見して違いがハッキリわかるのはイメージタイプの違いです。イメージタイプ グレー、つまり8bit(256階調)のグレースケールでスキャニングした画像(ホームモードのみ)のレタッチ後の画像を拡大してみると、当たり前ではあるが他の設定でスキャニングした画像と比べてハッキリと階調が潰れているのがわかる。イメージタイプ ブレーの設定は本格的な(スキャニングの時間は短くなるし)スキャニング前のサムネイルの為のスキャニングくらいにしか使えないのではないでしょうか
-原稿種の比較
これも一見してその違いがわかりますが、カラーネガの設定でスキャニングした方が、白黒ネガでスキャニングした画像に比べてコントラストが強くなるようです。
-モードの比較
白黒ネガ同士を比べるとどっちも甲乙付けがたいが、カラーネガ同士を見比べてみるとやはりプロモードの方が良いような気がします。写真家の 横木安良夫さんは日本カメラ2006年2月号の紙面上で「基本的にホームモードでスキャニングする。気に入らなかったらプロモードにする」(EPSON Scan GT-X800使用)と言っていたが、やっぱりプロモードつまり48bitカラー(約281兆5千億色)の設定の方が良い気がします。
しかし、撮影者の腕だと思われるが、ネガの濃度=露出によってはホームモードでスキャニング出来てもプロモードではスキャニング出来ない場合(その逆もあったかも)があります。
-結論
素材=ネガにもよってくるが、ホーム>白黒ネガ>カラー(24bit)でスキャニングするのが一番効率が良いのかも知れない。イメージタイプ 48bitカラーでスキャニングできる「プロ」は魅力的ではあるが、「プロ」の方が「ホーム」より時間が掛かることを忘れてはいけない。兎に角スキャニングは高解像度にすればするほど時間が掛かる物であります。36枚撮影してサムネイルを作ってその中から本格的にスキャニングするコマを選ぶとき、どうしても複数のコマ選びたくなるものです。一コマつだけ選ぶというのは中々出来るものではないので、自ずと複数コマのスキャニングをすることになり時間と労力がより必要になってきます。
自分はまだ初心者なので貧乏臭く一枚を選ぶことが出来ません。もっと腕が上がって目が肥えてくれば1/36を選ぶことが出来るようになるのかも知れません。
しかし、いずれにしても1200dpi以上の解像度でスキャニングしようとすれば、自ずと「プロ」モードを選ばざるを得なくなってしまうのも事実でありますので、コレだ!というショットはじっくりと腰を据えてプロ>カラーネガ>48bitカラーとなるのかなと思います。
最近は専ら銀塩モノクロネガで撮ることが多いので、「モノクロネガはどうすれば上手くスキャニング出来るか?」がテーマです。最近はデジカメ一辺倒で書籍もスキャニングについてはあまりない。あってもカラーネガやポジがメインでモノクロネガのスキャニングについての指南書が身近に無いので自分で色々トライしてみようと思うわけです。それとスキャニングする場合最終的な出力タイプをイメージしなくてはいけませんが、今回はディスプレイ・web用と考えています。
-材料となる画像データ
以前エントリした時の画像を再度フィルムスキャンしました。
フィルムは、Fuji Presto400。レンズは沈胴Summicron 50mm F=2.0。某ショップで入手した玉がキズだらけの激安Summicronです。
f=8 1/500(くらいだった気がするw)
-機材:スキャナ
EPSON Scan GT-F520。本当はフィルムスキャナが良いんだろうけど、高くて買えません。(T_T) xylocopalさんの影響です。
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さて、GT-F520でのスキャニングは「全自動」「ホーム」「プロフェッショナル」の三つのモードがあってユーザーが選ぶことが出来るが、「全自動」モードだと全て機械任せで話が終わってしまうので、今回は「ホーム」「プロ(フェッショナル)」の二つのモードで行います。
尚「ホーム」モードで原稿種を白黒ネガにすると、最大解像度が1200dpiとなってしまう。条件を統一する為「プロ」モードでも読み込み解像度を同様に1200dpiにします。
「ホーム」「プロ」ともに原稿種は白黒ネガにするのが順当であるが、調べたところカラーネガにするほうが情報量をより多く取り込めるとのことで今回はカラーネガと白黒ネガの2パターンでスキャニングしてみることとします。
イメージタイプは「ホーム」の場合、カラー、グレー、モノクロとあるが、モノクロは2階調になってしまうので今回の実験からは省きました。ヘルプを見るとカラー、グレーともに
カラー:24bit カラー(約1677万色)
グレー:8bit(256階調)のグレースケール
とあります。
「プロ」の場合は、48bitカラー、24bitカラー、...と「ホーム」の場合に比べより細かに設定ができるが、なるべく綺麗に高階調にスキャニングしたいので今回は48bitカラー(約281兆5千億色)だけとします。
ということで今回の実験における、モード、原稿種、イメージタイプをそれぞれ纏めると以下のような6パターンとなります。
ホーム>白黒ネガ>グレー(8bit)
ホーム>白黒ネガ>カラー(24bit)
ホーム>カラーネガ>グレー(8bit)
ホーム>カラーネガ>カラー(24bit)
プロ>白黒ネガ>48bitカラー
プロ>カラーネガ>48bitカラー
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ではいよいよスキャニング。フィルム面の埃をブロアーで飛ばしてセットします。今回は「埃除去」や「粒状低減」などのオプションは全て無しにしています。またヒストグラムなどで細かい調整もできますが、プレビューの段階でGT-F520が自動露出してくれますし全て何もしないでスキャナドライバまかせにしました。
さて、それぞれの設定でスキャニングしフォトショップでイメージ>モードで確認すると、イメージタイプによって以下のような結果となりました。
イメージタイプ カラー:8bit/チャンネル RGB
イメージタイプ グレー:8bit/チャンネル グレースケール
イメージタイプ 48bitカラー:16bit/チャンネル RGB
8bit/チャンネルは24bit、16bit/チャンネルは48bitの意味ですが、GT-F520のヘルプではイメージタイプ=カラーは24bit、イメージタイプ=グレーは8bitなのになぜ両方とも24bit(8bit/チャンネル)になるのか謎であります。イメージタイプ=グレーはグレースケールだから? 私にはよく判らないなぁ。
いずれにしてもこの段階での状態はフォトショップ形式(.psd)であり、まだフィルムをスキャニングしただけであります。webにアップロードするには一般的にjpg形式でアップするので、レタッチを行った後ファイル>web用に保存でjpg形式で保存するとどの画像も8bit/チャンネルに圧縮されてしまう。(レタッチの段階では16bit/チャンネルに(擬似的でも)しておいた方が良いとのこと)
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では、スキャニング>レタッチ後の画像の比較である。レタッチと言っても自動レベル補正をしてグレースケール変換をした後不必要なところを切り取ってweb用に保存をしただけです。(^_^;) (画像をクリックすると拡大します)
-イメージタイプの比較
一見して違いがハッキリわかるのはイメージタイプの違いです。イメージタイプ グレー、つまり8bit(256階調)のグレースケールでスキャニングした画像(ホームモードのみ)のレタッチ後の画像を拡大してみると、当たり前ではあるが他の設定でスキャニングした画像と比べてハッキリと階調が潰れているのがわかる。イメージタイプ ブレーの設定は本格的な(スキャニングの時間は短くなるし)スキャニング前のサムネイルの為のスキャニングくらいにしか使えないのではないでしょうか
-原稿種の比較
これも一見してその違いがわかりますが、カラーネガの設定でスキャニングした方が、白黒ネガでスキャニングした画像に比べてコントラストが強くなるようです。
-モードの比較
白黒ネガ同士を比べるとどっちも甲乙付けがたいが、カラーネガ同士を見比べてみるとやはりプロモードの方が良いような気がします。写真家の 横木安良夫さんは日本カメラ2006年2月号の紙面上で「基本的にホームモードでスキャニングする。気に入らなかったらプロモードにする」(EPSON Scan GT-X800使用)と言っていたが、やっぱりプロモードつまり48bitカラー(約281兆5千億色)の設定の方が良い気がします。
しかし、撮影者の腕だと思われるが、ネガの濃度=露出によってはホームモードでスキャニング出来てもプロモードではスキャニング出来ない場合(その逆もあったかも)があります。
-結論
素材=ネガにもよってくるが、ホーム>白黒ネガ>カラー(24bit)でスキャニングするのが一番効率が良いのかも知れない。イメージタイプ 48bitカラーでスキャニングできる「プロ」は魅力的ではあるが、「プロ」の方が「ホーム」より時間が掛かることを忘れてはいけない。兎に角スキャニングは高解像度にすればするほど時間が掛かる物であります。36枚撮影してサムネイルを作ってその中から本格的にスキャニングするコマを選ぶとき、どうしても複数のコマ選びたくなるものです。一コマつだけ選ぶというのは中々出来るものではないので、自ずと複数コマのスキャニングをすることになり時間と労力がより必要になってきます。
自分はまだ初心者なので貧乏臭く一枚を選ぶことが出来ません。もっと腕が上がって目が肥えてくれば1/36を選ぶことが出来るようになるのかも知れません。
しかし、いずれにしても1200dpi以上の解像度でスキャニングしようとすれば、自ずと「プロ」モードを選ばざるを得なくなってしまうのも事実でありますので、コレだ!というショットはじっくりと腰を据えてプロ>カラーネガ>48bitカラーとなるのかなと思います。