Some Night & More Night
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by やっ
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C・L・D
2008年 11月 25日 | |
さてさて、Nega & Print Exchangeを行うキッカケとなったのは、メールでやり取りしているうちにプリント時の露光時間の事が話題になったからでした。同じ様な引伸機(90Mと90M-S)を使っている二人で同じネガを焼いてみれば疑問点もハッキリするだろうという展開だったのです。
そこで実際にネガを交換しプリントしてみているうちに、今まで理解していると思っていたコントラストだとか露光指数だとかその辺のことを改めてじっくりと勉強する必要に駆られたわけです。多分何年も銀塩プリントを実行されていた方にとっては何を当たり前・基本的なことを、って事がデジタルから入った自分はよくよく理解出来ていなかったってことを再認識したわけですね。今思うLeicaに感化されていた(「潰れず・飛ばず」とか、ネ)のも結果的には良くなかったのではないか?と思うこともあります。

兎に角、Nega & Print Exchangeをキッカケとしてモノクロプリントでは当たり前のキーワード、コントラストとかラチチュードについてもう一度じっくり考えてみたわけです。それを今回のエントリで書こうと言うわけです。例によって備忘録ですね。もしかしたら現段階で理解していると思っている事が実は全然ン的外れかも知れないという恐怖と恥ずかしさもあるのですが、まぁ一年後にこのエントリを見返したとき「馬鹿なことしてんねー」って笑えるのも面白いかなって事です。



+++コントラスト(contrast)+++

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PRESTO400のデータシートから引っ張ってきて色々書き足したグラフ=特性曲線です。お馴染みナナロク=D-76で現像した場合のです。
特性曲線の見方についてはTPNの脱!ビギナーのための特性曲線を参考にして下さい。私もここで勉強しました。冒頭の「車買うときには隅から隅までカタログ読むでしょ?」っていう一文が説得力ありすぎです。

さて、グラフと脱!ビギナーのための特性曲線を見て頂ければ分かることですが、とあるフィルムととある現像液の組み合わせでは、その現像液の現像時間(温度)でフィルムのコントラストが決まってしまいます。撮影時の露光指数は関係ありません。グラフ上ではジーバー(アルファベットのGにアンダバーならぬアッパーバー?)係数でコントラストは表されているわけです。上にあげたグラフでは、7分30秒よりも8分45秒が、8分45秒よりも12分の曲線がコントラストが高くなっているのがわかります。

コントラストは明暗差です(よね?)。 グラフの横軸(露光量)を-3.0を基点として0.0までとして、縦軸を見てみれば7分30秒よりも8分45秒が、8分45秒よりも12分の曲線の縦軸(フィルム濃度)が高いのは明白です。露光量-3.0付近ではフィルム濃度はあまり違いがないものの、横軸が右にいくにしたがって違いが大きくなってくることがわかることから、現像時間の長短はハイライトに向けて大きく違ってくることがわかります。つまり、フィルム現像において現像時間の長短はハイライトに向けて違いが顕著になってくる。

んなこと当たり前ジャン!とは言わないで下さい。w
字面で現像時間を延ばすとコントラストが上がるというのは理解していましたが、こうしてグラフをみるとやっぱりそうねって遅まきながら理解したのです、ワタクシは。

さて、コントラストは明暗差。このグラフはフィルム濃度を表しているのでフィルムのコントラストはフィルム濃度差になります。
では、号数によってコントラストが変わる印画紙はどうなのか、というとやっぱりグラフが出ているので確認します。

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ワタシが良く使用しているVarigrade WPの特性曲線です。PRESTOと比べてカラーでは無いので見にくいですが0号から5号の曲線が描かれてます。Varigrade WPは多階調印画紙なのでフジのVGフィルタで号数を表しています。

こちらの方も脱!ビギナーのための特性曲線を見て頂ければわかりますが、グラフの右上がシャドウ部になるので先ほどのフィルムとは逆になっています。横軸は露光量で縦軸は反射濃度(印画紙上の黒の濃さ)を表しています。フィルムの時と違い、各々の曲線の左端と右端の濃度はほぼ同じになっていて各々の曲線の傾きが異なるのが目に付きます。ということは、フィルムのコントラストはフィルム濃度差と言いましたが、印画紙のコントラストは濃度差ではなく曲線の傾きで表されています。というか、そう見て取れます。

コントラスト明暗差だと(言っていた)思っていましたが、印画紙の場合では明暗差=濃度差では無いので違うようです。
はて、コントラストって一体何なのか?

この辺りでさっぱり分からなくなってきたのですが、自分なりには最終的には以下のように解釈しています。

コントラストとは明暗差である。しかし、同じ絶対的な明暗差でも急激に明暗差がつく場合とゆっくりと明暗差がつく場合とでは人間は急激に明暗差がついた方がコントラストが高いと意識する。急激とかゆっくりとか明暗差がつく状態を表しているのが曲線の傾きに当たる。

例えばの話、印画紙の余白部分と接している画像が最大黒であったとしたら、”そこの部分だけ"見るとコントラストが高いと認識する。
しかし同様に、余白部分に接している画像が余白部分に向かって最大黒からゆっくりと印画紙の地の白まで階調があると、"そこの部分だけ"見ても先ほどほどコントラストが高いとは認識しない。

印画紙の特性曲線に描かれている曲線はどもれもS字曲線です。中間調から見ると中々潰れず、中々飛ばないというのが分かります。特に号数が低くなるとその傾向が強くなる。
フィルムの特性曲線も直線ではなく左端は傾きが緩やかで、右端ハイライト部も若干傾きが寝ています。(ACROSなどで中間調からハイライト部まで傾きがあまり変わらないフィルムもある)
このように直線ではなく曲線であるが故に中間調とシャドウ部・ハイライト部ではコントラストが変わってくる。例えばシャドウ部だけをみればコントラストが低く眠い感じがするわけである、と。

以前とあるレンズの試写を見て「コントラストが高くバキバキ(とした描写)で、ダメだぁ」というのをどこかで耳にした記憶があります。Leicaのコミュでも「このレンズは暗部がなかなか潰れないからモノクロ向き」というような書き込みを目にするし、内田ユキオの本にLeicaのレンズはコントラストが低い (けど解像度は高い)なんて書いてあったはず...。
フィルムや印画紙同様レンズにもコントラストというのがあるとは思いますが、単純にコントラストが高いレンズというのは明暗差があるレンズですから決して悪いことではないと思います。むしろ良いことだと思っています。あるシーンを撮影して、 1:1000の明暗差を記録できるコントラストの高いレンズと、1:100の明暗差を記録できるコントラストの低いレンズでは、コントラストの高いレンズの方が良いでしょう。古い(Leicaなどの)レンズをもって最新の高コントラストのレンズにはない柔らかな描写が...などと表現され古いレンズを持ち上げる傾向があるように思えますしワタシもそうした表現に感化されたタイプですが、(レンズとは異なりますが)最近の薄型TVの宣伝文句でも高コントラスト(明暗差)を謳い文句としていますから、高いコントラスト(明暗差)を求めることは正しい方向と思います。でも先ほどのて「コントラストが高くバキバキ...」発言をされた方はそうしたことではなく、フィルムや印画紙の特性曲線の場合と同じようにレンズの特性曲線の傾きがキツイと感じたための感想だったと思います。



+++ラチチュード(latitude)+++

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さて、この特性曲線の傾きというのは、横軸の露光量との兼ね合いが大事になってくると思います。

先ほどのPRESTO400とD-76の特性曲線グラフで、横軸の露光量-3.0から0.0の部分に注目すると、同じ露光量に対して曲線の傾きがキツければ必然的にフィルム濃度が高くなりますし(12分)、逆に傾きが緩やかであればフィルム濃度は低くなります。(7分30秒
同様に縦軸のフィルム濃度0.2付近から1.5までに注目すると、同じ濃度幅にたいして曲線の傾きがキツければ必然的に露光量が小さくなり(12分)、逆に傾きが緩やかであれば露光量は大きくなります。(7分30秒

標準現像を決めよう にあるように、撮影→写真の最終工程である印画紙の都合=号数によって求めるフィルム濃度が変わってきますが、仮にISOレンジ100の印画紙に焼き付けるとしたらフィルム濃度(差)は1必要となります。撮影しようとしてるシーンの輝度差が広ければ現像時間を短くして曲線の傾きを緩やかにして求めるフィルム濃度に収めることができる様になりますし、輝度差がそれほどなければ現像時間を延ばしてハイライトの濃度を高くすることができる、そうゆう考えで基本的に良いのだと思います。

この時、フィルムが必要とする濃度に露光量=輝度差収めることができる(という表現で良いのか?)範囲が、所謂ラチチュードだと思います。

フィルムの特性曲線が真っ直ぐではなくどちらかというとS字を描いていおり、尚かつ曲線がポジフィルムよりも寝ている(と思う。未確認なので)ので所謂ネガフィルムはラチチュードが広いと考えています。とあるシーンを撮影しようとして、ポジフィルムなら飛んでしまう・潰れてしまうような輝度差でもネガフィルムなら飛ばずにフィルムに記録することが出来る。こうしたフィルムの持つ許容範囲がラチチュード。今までこんがらがっていたけど、デジカメの世界でよく見聞きするダイナミックレンジというのもこのラチチュードと同義として捉えて良いのだと思っています。光を捉えるINの世界の話。コントラストはINと OUTの両方の場合で用いられるけど。



+++

たらたら長く書いてきたことは撮影技術・暗室技術の重箱の隅っこを突っつくようなネタであったが、そんなことしている時間があったら1枚でも多く撮影してこい!って言われそうなネタであった。机上の話、アレコレ頭で考えても実行してみなければ意味がないのはよく分かっているが、多方面からアプローチすれば"ソコ"に到着するのも早いだろうと言うこともアルだろう。両方から穴を掘って行けばもっとも早いのだが経験的に私の場合は両方の穴が貫通しない場合が多いのが難点である。



最後に

とまぁ長く長~く書いてきたこれらのことは、いわばどう撮るかという部分の話でありました。どう撮るか? 構図・光線具合・露出・シャッターチャンスなどなど多数ある要素の極一部のどう撮るか?という部分の話ですからある意味どうでも良い話かも知れません。
内田ユキオの書の冒頭に彼の考えたジョークが載っていました。写真学校で全てを学んだ学生。先生は最後に自信を持ってい言います。これで君たちは素晴らしい写真が撮れる、と。そこで成績優秀な学生が先生に質問します。必要なテクニックは全てマスターしました。ところで自分は何を撮ったらよいでしょうか? まっ、そうゆう事です。
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